!注意事項!
※主人公の名前はショウ
※メイン26までのネタバレあり
※未プレイの過去作あり、ゲームもやり込めていないので所々間違ってるかもしれませんが生暖かい目でみてください
※転生する条件など設定色々捏造してます
※暴力的な性描写があります
※村人モブ複数登場
※これまで北海道と縁もゆかりもなかったので方言などいろいろ諦めてます
***
「ショウさん、起きてください」
耳元で熱い吐息を感じて、わたしは泥のような微睡の底から引き摺り出された。
目を開ける。
いまだ慣れない天井――白くて丸いシーリングライトがついている、極めて現代的な集合住宅の一室にわたしは横たわっていた。
「う」
勢いよく抱きつかれた反動で、喉の奥が詰まる。
わたしの頬に引っ付いているウォロさんの鼻先が冷たくて、顔をしかめた。
「冷たいです、ウォロさん」
「こっちは朝っぱらから働かされていたんですよ、気持ちよさそうに眠るアナタが憎らしくなったのです」
「昨日はわたしが当番だったじゃないですか…」
のろのろと布団を這い出して引き戸を開け、キンキンに冷え切った台所の床にそっと素足を下ろせば、もう春だと言うのにゾクっとするほどの冷たさが脳髄にまでキィンと響いた。
もう、出かけたのなら暖房をいれて暖めておいてくれたっていいのに――。
同居人に対してそんな悪態をつきつつ、顔を洗って歯を磨き、湯を沸かしてトースターにパンを2枚のせる。
冷蔵庫からハムと卵、サラダ用に取っておいたすこしの生野菜を取り出しまな板の上に置いた。
シュー、とやかんが湯気を吐き、目玉焼きの黄身がとろりと半熟になった頃、わたしは彼を呼んだ。
彼は心ここに在らずといった生返事を繰り返す。
痺れを切らして居間の扉を開けると、彼は布団を仕舞うことすらせずに寝っ転がって本を読んでいた。
「ちょっとウォロさん!!いつまでゴロゴロしてるんですか!」
「あー、ハイハイ、只今」
「さっきからそれ5回目ですよ?!」
彼を布団からひっぺがしてそれをたたみ、小さなちゃぶ台を出して朝食の皿と熱いカフェオレの入ったマグを置いた。
彼はいただきます、と手を合わせたが、すぐに本を取り出して読みながら片手で食事を摂りはじめた。
もしうちのお母さんがこの光景を見てたら絶対怒るだろうな――そう思ったけれど、ここで暮らし始めてもうすぐ半年。わたしは彼の生活態度に干渉することをすっかり諦めていた。
彼のさまざまな生活習慣は模範的とは言い難かったけれど、特にこちらが迷惑を被るものでもなかったし、こうして本を読みながらトーストを齧りカフェオレを啜るウォロさんには、不思議な妖艶さと品の良さがあった。きっとこれは常人には真似し難いだろう。
わたしはさっさと朝食を終えて高校の制服に着替えた。青いリボンのセーラー服。
わたしが着替え終わると、先程まで一瞬たりとも本から目を離そうとしなかったウォロさんがこちらを見ていた。
眩しそうに、目を細めている。
わたしは不思議に思って彼の顔をまじまじ見つめ返した。
「いってらっしゃい。ショウさん」
彼は明るく言って、ひらひらと無造作に手を振る。
わたしは彼のその仕草が無性に嬉しくて「いってきます!」と元気に返事をした。
***
てんかいのふえを吹いた時、わたしは元いた時代に帰るつもりだった。
もちろんコトブキ村には親しい友人もたくさんいたし、未練がなかったわけじゃない。
けれどわたしはこの村の「英雄」になったことでこの時代の最も慕わしいひとを失った。
そのひとに会いたいとどれだけ願っても、それは叶わぬことだった。
彼の噂を聞きつけて、ヒスイ地方の至るところへ赴いた。けれど彼は雲隠れしたように姿を見せることはなかった。
そんな日々に、わたしは辟易していた――こんなに苦しくて悲しいのなら、端から彼の存在しない世界に帰りたい。
四六時中会えない人のことを考えて、勝手に無謀な期待を抱いて、裏切られるたびに傷ついて……。
その繰り返しに、耐えられなくなったのだ。
けれどわたしが元の世界に戻ることはなく、ふえを吹いた後に起こったのは、あまりに予期せぬ事態だった。
この世界――ポケモンも存在していない、科学技術の発達した日本という国の、北海道という地域――の奥深い森に、わたしと彼は倒れていた。
「…さん、ショウさん、起きてください」
遠くで懐かしい声が聞こえた。元の時代に帰っても、彼のことを忘れられるわけではないらしい。寝ぼけた頭で勝手に落胆していると、ばちん、と頬を叩かれた。
「起きろ!」
はっと意識が鮮明になり、目を見開けば至近距離に数えきれないほど心の中で想っていたひとの顔があった。
「えっ…ウォロ、さん…?」
状況が飲み込めない。わたしが思い描いていた「元の世界」とはかけ離れた周囲の状況にも困惑する。
しばらくこちらの様子を見ていたウォロさんがわざとらしく大きなため息をついて空に向かって人差し指をさした。
空が、割れている。時空の裂け目だ。
かつてヒスイに飛ばされてきた時のように。
「今度は何をやらかしたんです」
ウォロさんは呆れたような口調で言った。
「いえ、てんかいのふえを吹いて、元の世界に戻ろうとしたんです…」
「それでこのザマですか」
間髪置かずに返されて、わたしは言葉に詰まった。
心の奥底でウォロさんに未練があったから、きっとアルセウスはわたしの意思を汲み取って―――咄嗟に何となくの状況を理解したが、そんなことはとてもじゃないけど言えない。
しかし、黙っていればそれはそれで不審だろう。わたしが何か言おうと口を開いたその時、ウォロさんは何かに気づいて「シッ!」と唇の前で指を立てた。
「誰か来ます」
言われて耳をすませば、たしかに茂みの奥の方で微かな足音がする。
ゆっくりと警戒するような足取りは次第にすぐそばまで近づいてきていた。
「まずいことに、今のジブンたちはポケモンを使うことができません。手持ちのポケモンは皆、元の世界に置き去りになってしまったようです――まあ、元の世界に戻ろうとしていたアナタには、関係のない話かもしれませんが」
それはウォロさんの言う通りだった。
わたしは元の世界に戻ると決めた時、すべての手持ちポケモンたちと別れることを決意した。
それで、面倒を見てくれそうな知人友人に1匹ずつ彼らを託したのだ。
だから、いきなりその場に置き去りにされたであろうウォロさんの手持ちポケモンを思うと心が痛んだ。
しかし一方で、こちらがどれだけ慌てようが悲しもうが、茂みから聞こえてくる足音は近づき、うっすらと人影のようなものが見えはじめた。
影は奇妙な形に歪んでいて、その人間が武器らしきものを持っていることがわかった。
「ウォロさん…どうしよう」
「仕方ありません。事情を話してわかってもらうしかないでしょう。話の通じる相手ならいいのですが…そもそも、言葉が通じるかも定かではありませんが」
人影が月明かりに照らされる。
それは体格のいい初老の男性だった。
その人は信じられないものを見るかのような目でこちらを凝視している。
ときおり、時空の裂け目を眺めては、交互にこちらと見比べる。
「あ、あぁ…」
男が声を発すると、ウォロさんがさっとわたしの前に出て身構えた。
しかし、相手は武器を地面に投げ置くと、はらはらと涙を流してその場に跪いた。
「天女様…」
そう言ってなおも涙を流しながらこちらを見つめている。
「伝説は本当だったんだ」
わたしとウォロさんは訳がわからずキョトンとして、ただ顔を見合わせた。
男性はわたしたちを小さな集落まで連れて行き、寄合に集まっていた数人に事情を説明し始めた。
話を聞いているうちにいくつかの断片的な情報が集まり、今の状況が理解できるようになってきた。
この村の近くの森には古くから、空が裂けた日に天女が舞い降りたという伝説が伝わっていること。そして天女が豊穣をもたらし村を豊かにしたことから、今なおその伝説は篤い信仰の対象であること。
そして、わたしたちの倒れていた場所や時空の裂け目が生じた場所こそが、どうも伝説に言い伝えられていた通りだったらしい。
「どうせ、過去にもヒスイから誰か飛ばされてきたんでしょう」
ウォロさんが小声で悪態をついた。
わたしはそれを皆に聞かれていないか不安に思いながら、男性に問いかけた。
「あの…わたしたち、これからどうなってしまうんでしょうか。自分たちも知らない間にあの場所に倒れていて、行く宛もここで生きていく手段も何もないんです」
言葉にすると、末恐ろしくて身体が震えた。
ヒスイに飛ばされた日だって状況は同じだけど、こんなの何回やったって慣れっこない。
おまけにこの世界で一度もポケモンを目にしていないのもなんだか不気味だ。
結局、しばらくは村がわたしたちの面倒を見てくれることになった。
その晩は村が管理している宿泊施設のコンドミニアムの一室が充てがわれた。
本来は1人用の部屋だが、突然のことで使える部屋はここしか空いていないと告げられたので、わたしとウォロさんは気まずい空気を漂わせながら、一晩を狭い部屋で共にすることになった。
「ざまあないですね」
夜、隣に横たわるウォロさんがふと言った。
わたしは困惑しながら彼の横顔を見つめた。
「あなたはまた自分の世界を失った。アルセウスに相対する権利を保ちながら。そしてワタクシは望み通り新しい世界を得た」
彼はわたしの表情に気づき、にかっと歯を見せて笑った。
「愉快でたまらない」
わたしは何と言い返すべきか皆目見当がつかぬままただ黙っていた。機嫌の良さそうなウォロさんがわたしの顔を覗き込んだまま微笑んでいる。
「どうしてでしょう。無様で可哀想なあなたを見ていると――何故だかとても愛らしく感じるのは」
そこまで聞いて、カッと顔が熱くなる。
こんなんじゃあっという間に自分の気持ちがバレてしまうかもしれない。不安な気持ちが胸いっぱいに広がったけれど、そんな懸念は杞憂に終わった。
ウォロさんはどうもわたしが怒ったり恥ずかしがっているのだと思っているらしかった。
「そんなに怒らなくてもいいではないですか」
彼の美しい顔がにじり寄ってくる。
「何か言ったらどうです」
声色に苛立ちが混じり始める。
それでもわたしは何も言えなかった。
このままなにか話せばわたしはきっと泣いてしまう――だって今にも、わたしはただあなたに会いたかったのだと叫び出してしまいそうだった。
目の前でじいっとこちらを伺っていたウォロさんは、ふいにわたしの顎を掴んで引き寄せた。
「〜っむ?!」
咄嗟のことに驚いたが、次第に唇に触れた柔らかい感触にウォロさんからキスされたのだとわかった。
彼はしばらく唇を離さなかった。明らかにこちらが戸惑っていることは充分に伝わっていたはずだけど、彼はうっすらと目を開けてこちらを見つめ続けている。
さも、わたしのことが不思議でたまらないとでもいうように。
本来なら親しい者同士の濃密なコミュニケーションであるはずのそれはどこまでも他人行儀で、わたしの身体はひやりと冷たい何かに触れたように震えていた。
「うぉろ、さん…だめです…」
大きな身体を押しのけるようにして、唇にわずかな隙間を作る。
彼はその言葉をまったく意に介さぬ様子でまたわたしに深く口づけた。
ぬるりと厚い舌が咥内に差し込まれて余計に息がしづらくなる。
頭では事態を冷静に対処しようと努めたが、心臓ははち切れそうなほどバクバク高鳴っているし、彼に触れられている全身が溶けそうになるのを恐れて張り詰めていた。
油断すれば、なにもかも決壊してしまいそうだ。
狂おしいほどに求めたひとが、自分の唇を奪ったこと。
彼と同じベッドに入り、身体を寄せ合っていること。
その信じられない出来事を噛み締めるように目を瞑った。
一方で、彼への好意を微塵でも仄めかそうものならこの奇跡のような時間はあっという間に崩れ去るだろうことはわかっていた。
だからわたしは決意する――ただ、この状況に戸惑い苦しむ無力な少女を演じ続けよう、と。
「ゆるして、ください…なんでもするから…」
無理やり言葉を発したら、どちらのものかわからない唾液が唇から溢れて滴った。
目の前のウォロさんは満足げに微笑んでいるように見えた。ただ、実際のところ彼が何を考えているのかはわからなかった。
「今のアナタには何もできませんよ」
彼が吐き捨てるように言った。
「ただ、ワタクシは今無性にアナタを手篭めにしてやりたい。何故そう思うのかは、わからないけれど」
しゅるりと衣擦れの音がして、着ていた浴衣の帯が解かれたことに気づく。
あっという間に下着も取り払われて、一糸纏わぬ姿にさせられる。
ウォロさんは煩わしそうに髪を束ねていた紐を解いた。
彼はしばらく森の木陰で人間を警戒する野生ポケモンのように鋭い目つきでこちらを舐め回すように睨んでいたが、途端に獰猛な牙を剥いた。
誰にも触れられたことのない肌に、誰より愛しいひとが容赦なく歯を突き立てた――わたしは恐ろしさと嬉しさの狭間で、両目を涙でいっぱいにしながらか弱い叫びを漏らす。その度に彼はにこりと満足げに微笑んだ。
窓から漏れる薄明かりが彼の金色の髪に切長の目を闇夜にぼんやりと映し出していた。
こうして目の当たりにすると、改めてため息が出るほど美しいひとだなと思う。
惚けているわたしの顔を覗き込んで、彼は確かめるように胸のささやかな膨らみに手を這わせた。彼の大きな手のひらにすっぽりを収まりきったそれを、まっすぐ伸びた長い指が柔く揉んだ。
温かい手のひらに転がされている胸の頂が勝手に固さを帯びてくる。
それが恥ずかしくて隠そうとしたら、両腕を乱暴に押さえつけられた。
ウォロさんがぱくっと胸の先端を口に含んだ。
ころころと、舌先がやさしく宥めるようにわたしを舐った。
「あっ」
そんなつもりはなかったのに、大きな声が出る。
未知の感覚に対する恐れと、存外に優しい彼の愛撫に驚いたのかもしれない。
「しい。静かに」
耳元で囁かれて、また唇を奪われる。
「抵抗しなければ、うんと優しくしてあげましょう」
わたしは涙をぽろぽろ流したまま、コクリと頷いた。
どうかこの涙の理由が、羞恥や屈辱だと誤解されていますように――そう胸の内で祈りながら。
目を閉じて優しいキスに身を任せていると、彼の大きな手のひらがわたしの肩から胸、お腹、そして下腹へとゆっくり滑っていく。
ついに指先がわたしのまだ誰にも暴かれたことのない蕾に触れた。
自分でもわかるくらい、そこはどうしようもなく濡れそぼっていて、わたしはまた恥ずかしくて顔が火照るのがわかった。
けれどウォロさんは何も言わず、びしゃびしゃになったそこをじっと見つめながら、慎重にゆっくりと指を沈めはじめる。
「さすがに硬いですね。ゆっくり、力を抜いて」
痛かったら言ってください、と真剣な表情のまま、わたしの耳元で囁き続けるので、わたしは必死に頷くことしかできない。
根気強く少しずつ指を増やしていき、ようやくウォロさんの指を3本ほど呑み込めるようになった頃には疲れてじっとりと汗をかいた。
わたしはこの焦ったいやりとりについ我慢ができなくなって、「もう、いいですよ」とこぼしてしまった。
するとウォロさんはゆるりと意地悪そうに微笑んだ。
「まだダメです。ワタクシの摩羅はアナタが思うより大きいのです」
わたしのなかに収まっている指が、くちゅ…といやらしい音を立ててうごめいた。
これからアナタを抱くたびに痛がられては敵いませんからね、とウォロさんがつぶやいて、わたしは嬉しさでまた心臓をバクバク跳ねさせた。
そう、この時までわたしは完全に油断していた。
形はどうであれ、愛するひとに求められることをただ喜んでいた。
彼の愛し方がどんなふうであるかも知らず、のんきに。
***
グチュグチュグチュグチュ、と容赦なく胎に指を突き入れられ、悲鳴のような声が出る。
「〜〜っっひ、あぁっも、や…!」
胎の中の臍側の壁を擦られると、何故だか意識が飛んでしまいそうなほど心地よくて視界がぼやけた。
中への抽送と同時に、彼の親指がコリコリと蕾の入り口についた小さな突起を転がし続ける。
何度か大きな波のような快感が押し寄せてきて、息が止まった。
頭の中がチカチカして、暗転した後に、じわぁ…と胎の奥が痺れるような感覚がある。
じっとこちらを見ていたウォロさんがにこりと事務的な様子で微笑んだ。
「ああ、やっと3回イけましたね!あと2回イったら挿れてあげましょう」
あと、2回も…?
わたしは朧な意識の中で恐怖を感じた。こんなの続けてたら死んでしまう。
「は、も、やだぁ…」
「アナタに拒否権なんかありませんよ」
ウォロさんの言い方が冷たくて背筋がゾクッとした。
勝手に目から涙がこぼれる。
彼はその様子を熱っぽいまなざしで見つめていた。
「どうです?一度敗北を味わわせた男から無理やり犯される気分は」
そんな彼の問いかけに対してわたしは結局何も言えず、ただ与えられる快感に支配され、あっという間に5度目の絶頂を迎えてしまったのだった。
度重なる絶頂に意識を手放しそうになっていると、またもや未知の快感を感じてハッとする。
見れば、何度も指に貫かれ、だらしなく開いたままの蕾にウォロさんの大きなものがゆっくりと沈んでいくところだった。
たしかにそれは大きかった。けれど念入りに溶かされた身体はとくに抵抗なくつるりとそれを呑み込んでいく。
そのことが薄ら恐ろしくなって、わたしはガクガクと震えていた。
「怖いですか?」
いやに嬉しそうなウォロさんの声音に、やっぱりなんかムカつくな、と頬を膨らませながら、「初めてなので、それなりに」と言い捨てそっぽを向いてみる。
「そりゃ結構」
彼の表情は緩みきっていて、言葉もなんだか雑だ。油断すると彼はたまにこんなふうになる。
これがこのひとの素、なんだろうか。
かと言って、好奇心旺盛な普段の様子も嘘なのかと言われれば違う気もする。
こんなに好きでも、あまりに知らないことが多すぎる――その事実を思う時、どうしようもなく孤独だ。わたしも、このひとも。
「あの、優しく、してください…」
寂しさに耐えきれなくなって、つい言葉を発してしまった。しめしあわせたように瞳に溜まっていた涙が一筋はらりと流れ落ちる。
彼はめんどくさそうにこちらを一瞥すると「だから何度もそう言ってるだろ」と言い捨てた。
わたしは結局埋まらなかった孤独に胸を締め付けられながら、彼が自分の最奥を貫くのを待った。
ぎゅ、と目を閉じてどれだけ経ったかわからない。
わたしが不審に思って目を開けると、彼は心なしかほっとしたような顔で微笑んだ。
「全部、挿れますよ」
彼の言葉にコクリと頷くと、身体の奥にみちみちと音を立てて圧迫感のある大きなものが押し寄せてきた。
「はっ…く」
息を呑んでそれを堪える。
なんだかブチッと血管のようなものが切れたような痛みが走った。痛くて自ずとまた涙が流れた。
グイグイとめり込んでくるウォロさんの動きがぴたりと止んだ時、わたしは彼の背中に必死でしがみついてしまったことに気がついた。
爪を立ててしまったかもしれない――そう思ってわたしが顔を青くすると、ウォロさんは意外なほど澄ました顔で言った。
「良いですよ、好きなだけしがみついていてください」
優しく返されてほっとしたのも束の間、
「これからアナタには存分に付き合ってもらいますので、それくらいは許してあげましょう」
とにっこりされたので、わたしは恐ろしくて逃げ出したくなった。
けれど及び腰はグイと大きな手に掴まれ、わたしの胎内はすぐにまた彼のでいっぱいに満たされてしまった。
みちみちと穿たれた彼のものはわたしにはたぶん大きすぎるのに、くうくう切なかった胎の奥がそれによってようやく満たされたとばかりに彼を求め吸い付いている。
それがたまらなく恥ずかしい。
追い打ちをかけるように、ウォロさんが耳元で低く囁いた。
「わかりますか?ショウさんのココ、すっごく締まってますよ」
彼がそっとわたしの下腹を人差し指でなぞった。
トントン、とおへその下を軽く押されて、こんなところまで彼が入っているのだと思うとゾクゾクした。
しばらく深く繋がったまま抱き合っていたけれど、すこしして「動きますよ」と耳元で彼の声がした。
ぬちゅ、ずちゅ、と嫌らしい音をたてながら、ウォロさんがなんども奥に入ってきた。
痛くないように優しく、けれど確実にわたしの気持ちいいところを抉っていく。
子宮が甘い圧迫感で満たされていく。
まるで渇きを癒すみたいに、身体が自然に彼のものをキュンと締め付けて必死になにかを搾り取ろうとしている。
もっと容赦なく非道いやりかたで身体を蹂躙されると思っていたのに、彼とのセックスは溶けてしまいそうなほど優しくて心地良かった。
それで余計に気が狂いそうになる。
もう、あれこれ勘ぐったりせずに彼の行動を素直に受け止めて、自分の想いも隠すことなくすべてぶちまけられたらどんなに楽だろう――目の前がくらくらして、呼吸すらも不規則になってきた。
わたしは何度目かわからなくなった絶頂とともに、気づけばしずかに意識を手放していた。
それから先、どんなふうにウォロさんがわたしを抱いたのか、それともそのままふたりで寝てしまったのかは今となってはわからない。
一つだけ言えることは、その日を境に、わたしとウォロさんは毎晩のように抱き合うようになったということ。
たとえ朝早くに起きなければならない夜も、欠かさず彼はわたしを求めた。
たとえ一生、彼がわたしを愛することはないのだとしても――彼のそばにいられる奇跡のようなこの日々が少しでも長く続きますようにと、わたしは願ってやまないのだった。