玲マリ

天国へようこそ

今日の玲太くんは不機嫌だ。その理由はわかっていた。明日に迫ったイギリス出張が憂鬱なのだ。彼は着々と朝食当番をこなすわたしの背中にしがみついたまま項垂れていた。今朝は起きた時からずっとこんな調子だ。「お仕事遅刻しちゃうよ?」サラダボウルの中の…

アンビバレントな僕らをゆるして

マリィには可愛いボーイフレンドがいた。同じ中学校の同級生で、同じ部活の男の子。ちょっと気が弱いところもあるけど、明るい性格でぱっちりお目目がキュートな彼とマリィはお似合いのカップルだった。だから、彼が羽ヶ崎高校に進学することになっても、「違…